第138回 日商簿記2級

第138回 日商簿記2級 出題予想

商業簿記

第2問
    
1. 特殊仕訳帳(試算表作成)
2. 伝票
3. 個別論点

第2問は、第1予想として特殊仕訳帳の試算表作成をあげました。
特殊仕訳帳の試算表作成は124回、125回、127回、129回、131回とかなりの頻度で出題されております。
しかし、特殊仕訳帳の試算表作成の出題の頻度は非常に高いのですが、132回から出題されておりませんので、今回は出題の可能性が高まっています。
対策として、従来の出題パターンである試算表作成を練習しておくのはもちろんのこと、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題についてもしっかり練習しておきましょう。その際、二重仕訳の意味についてしっかりおさえておきましょう。
対策としては、109回、111回はいずれも資料の特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題になっておりますので、試験までに111回類題は一度解いておく必要があるでしょう。
また、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題も十分対策を講じておくようにしておきましょう。類題として、114回、118回、122回と出題されております。そのなかでも、118回の類題は要注意です。
これらの問題を解くときのポイントは二重仕訳を書き出しながら解くことが大切です。
二重仕訳をしっかり考えながら、これらの問題を解くようにしてください。



第2予想として伝票をあげました。
伝票は119回、121回、123回、128回、130回、133回、136回と出題されております。
前々回に出題されておりますが、最近では、それほど間隔をおかずに出題されることもあります。ですから、試験までに推定問題を一度解いておくようにしましょう。対策としては123回、128回は一度解いておくとよいでしょう。

また、伝票問題で1つ注意しておきたいのが、102回に伝票の枚数を数えるという問題が出題されたことがあります。それ以来、伝票の枚数を数えるという問題は出題されたことがありませんから、試験までに102回類題を解いておく必要があるでしょう。



第3予想として個別論点をあげました。第2問の出題といえば伝票もしくは特殊仕訳帳が主流ですが、過去に107回では固定資産、112回では有価証券と社債、126回に特殊商品売買、132回に特殊商品売買、134回に銀行勘定調整表と現金勘定、当座預金勘定、135回に固定資産、137回に銀行勘定調整表といった個別論点が出題されたことがあります。
直近では個別論点がよく出題されておりますので要注意です。
固定資産、有価証券と社債、特殊商品売買などもう一度テキストを見直すなどして基礎・基本を確認しておきましょう。特に売買目的有価証券と満期保有目的債券の違いと共通点、また両者の評価方法、社債の発行側の処理方法をしっかりできるようにしておきましょう。
個別論点を解くカギは、きちんと仕訳ができるかどうかになります。ですから、もし個別論点が出題された場合は、問われている問題に対して、しっかり仕訳を書き出して解くようにしましょう。
また、商品有高帳(総平均法)と期末商品の評価、株主資本等変動計算書も2級の出題範囲に指定されていますので、テキスト等でしっかり確認しておきましょう。




第3問
1. 精算表
2. 本支店会計
3. 損益勘定・繰越利益剰余金勘定


第3問は、第1予想として精算表をあげました。
精算表は116回、119回、121回、124回、126回、128回、132回、134回、135回と出題されており、第3問のなかでも本支店会計と同じぐらい出題率の高い問題になります。
精算表は134回、135回と連続して出題されておりますが、136回、137回と2回連続出題されておりません。
3回連続で精算表が出題されなかったのは過去10年間で一度しかありませんので要注意です。
ですから、十分対策を講じておく必要があります。
減価償却、貸倒れ、期末商品の評価、満期保有目的債券もしくは社債の償却原価法や未収利息、未払利息の経過勘定など決算整理仕訳はしっかり確認しておきましょう。
そのとき、期末商品の評価で低価法の意味をしっかり確認するとともに、「仕入れの行」だけでなく、「売上原価の行」についても確認しておく必要があります。3級の試験で、この「売上原価の行で売上原価を計算する」という問題が立て続けに出題されましたので、2級受験者も「売上原価の行で売上原価を計算する」をしっかり確認しておく必要があります。
その他、繰り延べで「毎年、支払っている(受け取っている)」という再振替仕訳をきちんと理解しているかを確認する問題が、最近2級でも出題されております。3級での頻出論点ですが、2級でも出題されておりますので、2級受験者も3級のテキスト、問題集等でしっかり確認しておきましょう。
また、過去に精算表が出題されたときに特殊商品売買(試用品)が出題されたことがあります。ですから、特殊商品売買を含め、今一度テキストで基礎・基本を見直すようにしておきましょう。



第2予想として、本支店会計をあげました。
本支店会計は136回に出題されておりますが、第3問の中で出題率の非常に高い論点で、約2回に1回の割合で出題されております。
ですから、十分対策を講じておく必要があります。
まず、本支店会計で確認しておきたいのは、本店より仕入勘定と支店へ売上勘定、本店勘定と支店勘定といった照合勘定や未達取引の金額などを推定する問題や繰延内部利益、外部仕入原価、振替価格などの意味について試験までしっかり確認しておきましょう。
また、商品評価損、棚卸減耗費が計上される問題が長い間出題されておりません。対策としては、試験までに第98回類題を一度解いておくとよいでしょう。



第3予想として三勘定(損益勘定・繰越利益剰余金勘定)の作成をあげました。
第116回より、会社法の適用によって、未処分利益勘定・繰越利益勘定がなくなり、繰越利益剰余金勘定になりました。
出題も108回からされておりません。変更にともなって、いつ出題されてもおかしくありません。
ですから、必ず試験まで108回類題を解いておきましょう。
また、損益勘定・繰越利益剰余金勘定の作成の場合、株主総会のさいの剰余金の配当の仕訳をもう一度確認しておいてください。
損益勘定・繰越利益剰余金勘定作成の問題を解くとき、法人税等の税率が40%の場合、そして中間納付がある問題の場合も想定して問題を解くようにしておきましょう。




工業簿記

第4問
1. 個別原価計算
2. 部門別原価計算
3.   本社工場会計


第4問は、第1予想として個別原価計算をあげました。
個別原価計算は120回、127回、128回、132回と出題されております。
また、133回に第5問に個別原価計算(仕掛品勘定の作成)が出題されました。
127回、128回は仕掛品勘定の作成でしたので、まずは仕掛品勘定、製品勘定の作成する問題について十分、対策を講じておくようにしましょう。
また、136回の「出題者の意図・講評」では「仕訳は工業簿記、原価計算の基礎として必要なので、今後積極的に学習を進めてほしい」と述べられています。
ですから、120回のような仕訳問題もしっかり確認しておくようにしましょう。



第2予想として、部門別原価計算をあげました。
部門別原価計算は116回、123回、129回、130回、135回と出題されております。
部門別原価計算は135回に出題されておりますが、最近では直近に出題された論点が間隔をおかずに出題されるということが頻出しております。
ですから、十分、対策を講じておく必要があります。
部門別原価計算は補助部門費の配賦(直接配賦法、相互配賦法)、差異分析、勘定記入が出題されます。
その際、相互配賦法は長い間、出題されておりませんので、試験までに1度解いておくようにしましょう。
また、123回に出題された総括配賦率、部門別配賦率については、今回はしっかり確認しておく必要があります。



第3予想として、本社工場会計をあげました。
本社工場会計は112回、119回、131回、133回に出題されております。
本社工場会計は、従来はそれほど出題の頻度は高くない論点でしたが、133回では予想に反して間隔をおかずに出題されました。
今回もそれほど間隔をおかずに出題されるということも考えられます。
ですから、十分対策を講じておく必要があります。
そのとき、131回、133回をしっかり解いておくのはもちろんのこと、101回に出題された内部利益を付加する本社工場会計も試験までに一度、解いておきましょう。





第5問
 
1. 総合原価計算
2.   標準原価計算
3. CVP分析


第5問は、第1予想として総合原価計算をあげました。
総合原価計算は128回に等級別、129回に組別、130回に単純、131回に工程別、137回に組別が出題されております。
総合原価計算は第5問では一番出題率の高い論点で、131回から出題されておりませんが、137回に久しぶりに出題されました。
前回に出題されておりますが、出題率の高い論点ですので、連続して出題されるということも十分考えられます。ですから、対策を講じておく必要があります。
そのなかでも等級別総合原価計算は試験までに一度解いておくようにしましょう。
また、仕損・減損の計算方法もしっかり確認しておくとともに、「平均的に投入」、「工程の終点で投入」、「途中で投入(105回に出題)」などのときの計算方法も試験までに一度確認しておきましょう。



第2予想として標準原価計算をあげました。
標準原価計算は116回、120回、126回、127回、135回と出題されております。
標準原価計算は135回に出題されておりますが、最近では、直近に出題された論点が再び出題されるという事例が頻出しておりますので、要注意です。
従来、標準原価計算は差異分析を中心に出題されることが多かったのですが、126回では仕掛品勘定と損益計算書の作成、127回では原価標準、直接材料費等の総差異、標準消費量を求める問題が出題され、126回、127回は今までと少し違う出題内容の問題でした。
対策としてパターン学習に陥るのではなく、原価標準、勘定記入、差異分析等についてしっかり基礎・基本の徹底を図るようにしましょう。



第3予想としてCVP分析は108回、114回、117回、124回、132回に出題されております。
136回に直接原価計算が出題されたため、同じ論点であるCVP分析の出題の可能性は低いと考える方もいるかと思いますが、最近では想定外の出題が1つ、2つあります。
また、CVP分析は132回に出題されてから少し間隔が空いているので、要注意です。
また、前回、CVPが出題されたとき、CVP以外の問いも一部あったため、今回、本格的なCVP分析が出題されるということも考えられます。

また117回に出題されたときに生産量と販売量が同じではないという問題が出題されました。そのため、117回の問題では、単位当たりの変動製造原価と変動販売費を算出するあたり、少し戸惑うような問題でした。
また、114回のときは文章になかに適切な数字もしくは語句を埋めるという問題でした。
このように、直近のCVP分析の問題では、何らかの変化がある問題が出題されており、今回もこれまでにない出題パターンの形で出題される可能性があります。

したがって、まずは基本である損益分岐点売上高(販売量)、目標利益を獲得するための売上高(販売量)や安全余裕率などについては確実にできるようにしておかなければなりません。また、単位当たりの販売価格、単位当たりの変動費や固定費の金額が資料より変更になるという問題も過去に出題されたことがありますので、そういった問題も試験までに一度は解いておくようにしましょう。
また、高低点法にて単位当たりの変動費と固定費に分解したあと、CVP分析させるという問題も予想されます。そういった問題の場合、最初の時点で計算間違いなどのケアレスミスをしてしまうと全滅という結果になりますので、本試験では必ず計算間違いしていないかどうか見直しをしながら次の問題に進むようにしましょう。