第134回 日商簿記2級

第134回 日商簿記2級 出題予想

商業簿記

第2問 
1. 特殊仕訳帳(試算表作成)
2. 特殊仕訳帳(総勘定元帳への転記)
3. 伝票


 第2問は、第1予想として特殊仕訳帳の試算表作成をあげました。
 特殊仕訳帳の試算表作成は124回、125回、127回、129回、131回とかなりの頻度で出題されております。
 対策として、従来の出題パターンである試算表作成を練習しておくのはもちろんのこと、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題についてもしっかり練習しておきましょう。その際、二重仕訳の意味についてしっかりおさえておきましょう。
 対策としては、109回、111回はいずれも資料の特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題になっておりますので、試験までに111回類題は一度解いておく必要があるでしょう。
 また、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題も十分対策を講じておくようにしておきましょう。類題として、114回、118回、122回と出題されております。そのなかでも、118回の類題は要注意です。
 これらの問題を解くときのポイントは二重仕訳を書き出しながら解くことが大切です。
 二重仕訳をしっかり考えながら、これらの問題を解くようにしてください。


 第2予想として特殊仕訳帳から総勘定元帳または得意先元帳、仕入先元帳といった帳簿への転記をあげました。
 特殊仕訳帳への記入、また特殊仕訳帳から総勘定元帳に転記するといった問題が103回、113回と出題されており、約10回に1回のペースで出題されております。しかし、113回から出題されておりませんので、試験までに十分対策を講じておく必要があります。対策としては、113回類題を一度解いておきましょう。


 第3予想として伝票をあげました。
 伝票は119回、121回、123回、128回、130回、133回と出題されております。
 130回では推定ではありませんでしたので、試験までに推定問題を一度解いておくようにしましょう。対策としては123回、128回は一度解いておくとよいでしょう。
 また、伝票問題で1つ注意しておきたいのが、102回に伝票の枚数を数えるという問題が出題されたことがあります。それ以来、伝票の枚数を数えるという問題は出題されたことがありませんから、試験までに102回類題を解いておく必要があるでしょう。



第3問
1. 精算表
2. 財務諸表
3. 本支店会計


 第3問は、第1予想として精算表をあげました。
 精算表は116回、119回、121回、124回、126回、128回、132回と出題されており、第3問のなかでも本支店会計に次いで出題率の高い問題になります。
 減価償却、貸倒れ、期末商品の評価、満期保有目的債券もしくは社債の償却原価法や未収利息、未払利息の経過勘定など決算整理仕訳はしっかり確認しておきましょう。
 そのとき、期末商品の評価で低価法の意味をしっかり確認するとともに、「仕入れの行」だけでなく、「売上原価の行」についても確認しておく必要があります。3級の試験で、この「売上原価の行で売上原価を計算する」という問題が立て続けに出題されましたので、2級受験者も「売上原価の行で売上原価を計算する」をしっかり確認しておく必要があります。
 その他、繰り延べで「毎年、支払っている(受け取っている)」という再振替仕訳をきちんと理解しているかを確認する問題が、最近2級でも出題されております。3級での頻出論点ですが、2級でも出題されておりますので、2級受験者も3級のテキスト、問題集等でしっかり確認しておきましょう。
 また、過去に精算表が出題されたときに特殊商品売買(試用品)が出題されたことがあります。ですから、特殊商品売買を含め、今一度テキストで基礎・基本を見直すようにしておきましょう。


 第2予想として、財務諸表をあげました。
 財務諸表の作成では、118回に貸借対照表の作成が、110回、122回、129回、131回に損益計算書の作成が出題されておりますが、最近ではそれほど間隔を空けずに出題ということもありますので、十分対策を講じておく必要があります。
 対策としては、貸借対照表は118回を、損益計算書は122回、129回を試験までに一度解いておくようにしましょう。
 また、損益計算書の作成で1つ注意を要するのが、この第131回から新たに出題区分に追加された売上割戻引当金です。売上割戻引当金繰入の損益計算書の表示方法がその他の引当金と異なりますので、そちらも確認しておくようにしましょう。


 第3予想として本支店会計をあげました。
 本支店会計は、約2回に1回の割合で出題されております。
 前回(133回)に本支店会計が出題されているため、134回では出題されないと思う方もいるかもしれませんが、過去には同じ論点が連続して出題されたことがあります。
 よって、本支店会計についてもしっかり対策を講じておく必要があります。
 まず、本支店会計で確認しておきたいのは、本店より仕入勘定と支店へ売上勘定、本店勘定と支店勘定といった照合勘定や未達取引の金額などを推定する問題や繰延内部利益、外部仕入原価、振替価格などの意味について試験までしっかり確認しておきましょう。
 また、商品評価損、棚卸減耗損が計上される問題が長い間出題されておりません。対策としては、試験までに第98回類題を一度解いておくとよいでしょう。



工業簿記

第4問
1.製造原価報告書
2. 費目別計算
3. 部門別原価計算


 第4問は、第1予想として製造原価報告書をあげました。
 製造原価報告書は118回、121回に出題されております。
 最近の第4問では、勘定記入もしくは仕訳問題、部門別原価計算が出題されており、製造原価報告書はしばらく出題されておりませんので、今回は製造原価報告書をあげました。
 特に注意をしたいのは個別原価計算(勘定記入)との絡みです。個別原価計算(勘定記入)は127回、128回、133回(第5問で出題)と出題されており、118回では個別原価計算と製造原価報告書を絡めた問題が出題されました。
 ですから、118回は試験までに一度解いておくとともに、127回、128回の問題で各自、製造原価報告書を作成してみるとよいでしょう。
 勘定記入と財務諸表を関連付けて学習することが大切ですので、今一度テキスト等で確認しておくようにしましょう。
 また、材料、賃金、経費の消費額の計算がしっかりできること、直接費と間接費の分類、また、さらに間接費は間接材料費、間接労務費、間接経費の費目別の分類などをできるようおきましょう。
 また、製造原価報告書の製造間接費配賦差異の処理方法についても確認しておきましょう。


 第2予想として費目別計算をあげました。
 材料費、労務費、経費の各原価要素から仕掛品勘定、製造間接費勘定、製品勘定への記入させる問題も出題される可能性があります。こういった問題を解くためには、材料費、労務費、経費について直接費と間接費の分類がしっかりできるようにすること、そして、さらに間接材料費、間接労務費、間接経費のなかには具体的にどういったものがあるのか(例えば、耐用年数1年未満の消耗工具は間接材料費)もできるようにしておくとともに、予定配賦も含めた勘定の流れを理解することが大切です。対策としては、試験までに113回類題を一度解いておくようにしましょう。


 第3予想として部門別原価計算をあげました。
 部門別原価計算は116回、123回、129回、130回と出題されております。
 部門別原価計算は補助部門費の配賦(直接配賦法、相互配賦法)、差異分析、勘定記入が出題されます。
 その際、相互配賦法は長い間出題されておりませんので、試験までに1度解いておくようにしましょう。
 また、123回に出題された総括配賦率、部門別配賦率については、今回はしっかり確認しておく必要があります。
 

 
第5問 
1.標準原価計算
2. 総合原価計算
3. 直接原価計算・CVP分析


 第5問は、第1予想として標準原価計算をあげました。
 標準原価計算は116回、120回、126回、127回と出題されております。
 126回、127回と立て続けに出題されておりますが、前回、出題されて少し間隔が空いておりますので、そろそろ出題の可能性が高まっています。
 従来、標準原価計算は差異分析を中心に出題されることが多かったのですが、126回では仕掛品勘定と損益計算書の作成、127回では原価標準、直接材料費等の総差異、標準消費量を求める問題が出題され、126回、127回は今までと少し違う出題内容の問題でした。
 対策としてパターン学習に陥るのではなく、原価標準、勘定記入、差異分析等についてしっかり基礎・基本の徹底を図るようにしましょう。


 第2予想として総合原価計算をあげました。
 総合原価計算は128回に等級別、129回に組別、130回に単純、131回は工程別と4回連続で出題されております。
 総合原価計算は第5問では一番出題率の高い論点ですから、対策を講じておく必要があります。
 そのなかでも等級別は試験までに一度解いておくようにしましょう。
 また、仕損・減損の計算方法もしっかり確認しておくとともに、「平均的に投入」、「工程の終点で投入」、「途中で投入(105回に出題)」などのときの計算方法も試験までに一度確認しておきましょう。


 第3予想としてCVP分析・直接原価計算は108回、114回、117回、124回、132回に出題されております。
 前回(132回)、出題されてからそれほど間隔が空いていませんが、最近、2回前に出題された論点が再度出題されるということが頻出しておりますので、要注意です。
 また、前回、CVPが出題されたとき、CVP以外の問いも一部あったため、今回、本格的なCVP分析が出題されるということも考えられます。
 また117回に出題されたときに生産量と販売量が同じではないという問題が出題されました。そのため、117回の問題では、単位当たりの変動製造原価と変動販売費を算出するあたり、少し戸惑うような問題でした。
 また、114回のときは文章になかに適切な数字もしくは語句を埋めるという問題でした。
 このように、直近のCVP分析の問題では、何らかの変化がある問題が出題されており、今回もこれまでにない出題パターンの形で出題される可能性があります。
 したがって、まずは基本である損益分岐点売上高(販売量)、目標利益を獲得するための売上高(販売量)や安全余裕率などについては確実にできるようにしておかなければなりません。また、単位当たりの販売価格、単位当たりの変動費や固定費の金額が資料より変更になるという問題も過去に出題されたことがありますので、そういった問題も試験までに一度は解いておくようにしましょう。
 また、高低点法にて単位当たりの変動費と固定費に分解したあと、CVP分析させるという問題も予想されます。そういった問題の場合、最初の時点で計算間違いなどのケアレスミスをしてしまうと全滅という結果になりますので、本試験では必ず計算間違いしていないかどうか見直しをしながら次の問題に進むようにしましょう。
 また、117回、124回は直接原価計算の損益計算者と絡めて出題されております。
 ですから、直接原価計算と全部原価計算の損益計算書の違いなども踏まえながらパターン学習に陥るのではなく、本質的な理解を伴いながら学習を進めるようにしましょう。
 また、直接原価計算形式の損益計算書を作成させるということも予想されます。100回第5問に直接原価計算方式と全部原価計算方式の営業利益を求めるという問題が出題されましたので、試験までに一度100回類題を解いておきましょう。